希釈の計算式
比率は「塗料:うすめ液」で表します。塗料1に対してうすめ液がいくつ、という読み方です。
総量 = 塗料 + うすめ液
塗料の量 = 総量 ÷ (1 + 比率)
追加するうすめ液 = 塗料 × 目標比率 − 現在のうすめ液
1:2は「塗料1・うすめ液2」なので、塗料は全体の3分の1です。1:1なら半分。ここを取り違えると倍近くずれるので、比率の左が塗料であることを覚えておいてください。
用途別の希釈比率の目安
| 用途 | 塗料:うすめ液 |
|---|---|
| 筆塗り | 1:0.5 前後 |
| エアブラシ(基本) | 1:1 〜 1:1.5 |
| エアブラシ(細吹き) | 1:2 〜 1:3 |
| グラデーション・ぼかし | 1:3 前後 |
| クリアーのコート | 1:1 〜 1:2 |
数字はあくまで出発点です。同じ1:1でも、塗料の色によって元の濃さが違います。白や黄色などの隠蔽力が弱い色は濃いめ、クリアー系は薄めが扱いやすくなります。
比率より濃度を目で見る
ベテランほど比率を測らないのは、塗料の状態が瓶ごとに違うからです。開封から時間が経った瓶は溶剤が飛んで濃くなっています。同じ比率で薄めても仕上がりは変わります。
判断の基準は、調色スティックですくって落としたときの状態です。垂直に細い糸を引いて落ちるならエアブラシに適した濃さ、ぼたっと落ちるなら濃すぎ、水のように途切れず流れるなら薄すぎです。
このツールは出発点の量を決めるために使い、最後は目で合わせてください。
カップの容量から逆算する
エアブラシのカップは7mL前後の小さなものが多く、「塗料を何mL入れるか」より「カップに合わせて総量から逆算する」ほうが実際の手順に合います。総量から塗料の量を出す式を使います。
塗料 = 6 ÷ (1 + 2) = 2.0 mL
うすめ液 = 6 − 2.0 = 4.0 mL
1:1.5で総量10mLなら、塗料は10÷2.5で4mL、うすめ液は6mLです。スポイトやシリンジで測れる切りのよい数字になるよう、総量側を先に決めるのがコツです。ツールの「総量から」タブはこの逆算を自動で行います。
面積の目安として、エアブラシでの1回の塗装なら、ガンプラのHGサイズ1体でおおむね希釈後10〜20mL程度が出発点になります。足りなければ同じ比率で作り足せば色は変わりません。比率を記録しておくことが、作り足しのときに効いてきます。
塗料の系統と塗り重ねの順序
| 系統 | 特徴 |
|---|---|
| ラッカー系 | 速乾・塗膜が強い。溶剤が最も強い |
| 水性アクリル | 臭いが弱く室内向き。乾燥はやや遅い |
| エナメル | 伸びが良く筆塗り・スミ入れ向き。乾燥が遅い |
塗り重ねる場合は、溶剤の強い系統を先に塗るのが原則です。ラッカーで基本塗装、水性で部分塗装、エナメルでスミ入れという順なら、上の塗料の溶剤が下の塗膜を侵しません。逆の順で塗ると、上に乗せた塗料の溶剤が下の層を溶かして混ざったり、にじんだりします。
希釈の観点では、この順序は「失敗したときに下を守れるか」にも関わります。エナメルのスミ入れがはみ出しても、下がラッカーならエナメル溶剤で拭き取るだけで済みます。
よくある質問
エアブラシに適した希釈比率はどれくらいですか?
塗料1に対してうすめ液1から2程度が基本です。目安としてよく言われるのが「サラサラの牛乳」で、調色スティックですくったときに細い糸を引いて落ちる状態です。ラッカー系は1:1前後、水性は1:1から1:1.5、細吹きやグラデーションではさらに薄めて1:2から1:3にします。
うすめ液を入れすぎたときはどうすればいいですか?
塗料を足して比率を戻します。このツールの「濃度を直す」タブに現在の塗料量とうすめ液量を入れると、目標の比率にするために足す量が出ます。ただし総量が増えるので、小さな容器で作っている場合は溢れないよう注意してください。時間に余裕があれば、蓋を開けて溶剤を飛ばす方法もあります。
うすめ液は専用品でないとだめですか?
塗料の系統に合ったものを使ってください。ラッカー系にはラッカー用、水性には水性用、エナメルにはエナメル用です。系統が違うものを混ぜると塗料が分離したりゲル状に固まったりして使えなくなります。同じメーカーでも品名が似ているものがあるため、使う前に必ずラベルを確認してください。
リターダー入りのうすめ液も同じ比率でいいですか?
比率の計算は同じで構いません。リターダー入りのうすめ液は乾燥を遅らせてつや出しや白化防止に働きますが、希釈率としては通常のうすめ液と同じ扱いです。リターダーを原液で添加する場合は別で、うすめ液全体の1割程度までに留めてください。入れすぎると塗膜がいつまでも乾かず、ほこりを拾う原因になります。
希釈した塗料は取っておけますか?
密閉できる空き瓶に入れれば数日程度は使えますが、溶剤が少しずつ揮発して濃度が変わっていきます。次に使うときは撹拌したうえで、濃くなっているぶんをうすめ液で補正してください。基本は使う分だけ作ることです。同じ濃さを作り直せるように、希釈したときの比率をラベルやメモに残しておくと再現が楽になります。