小節と時間の計算式
BPMは1分間の4分音符の数です。そこから1拍の長さが決まり、拍子の分だけ掛ければ1小節の長さになります。
1小節 = 分子 × (4 ÷ 分母) × (60 ÷ BPM) 秒
総時間 = 1小節の長さ × 小節数
小節数 = 総時間 ÷ 1小節の長さ
2行目の「4 ÷ 分母」が拍子記号を4分音符に換算する部分です。6/8拍子なら 6 × (4÷8) = 3 となり、4分音符3つ分の長さになります。
拍子ごとの1小節の長さ(BPM120)
| 拍子 | 4分音符換算 / 1小節 |
|---|---|
| 2/4 | 2.0 / 1.00秒 |
| 3/4 | 3.0 / 1.50秒 |
| 4/4 | 4.0 / 2.00秒 |
| 5/4 | 5.0 / 2.50秒 |
| 6/8 | 3.0 / 1.50秒 |
| 7/8 | 3.5 / 1.75秒 |
| 12/8 | 6.0 / 3.00秒 |
尺に合わせるときの考え方
映像に曲を付ける場合、先に尺が決まっていることがほとんどです。目標の秒数に何小節入るかを出し、そこから構成を組みます。
小節数は4の倍数に収めるのが基本です。8小節や16小節の区切りは聴き手が自然に区切りとして認識するため、そこにセクションの変わり目を置くと構成が締まります。端数が出るときは、BPMを1〜2動かして調整するほうが、無理に半端な小節数で作るより結果が良くなります。
たとえば90秒の動画にBPM120の4/4を当てると45小節。整数にはなりますが4の倍数ではないので、8小節単位の構成が最後で崩れます。BPM128にすると48小節ちょうどが90秒に収まります。
尺ちょうどに収まるBPMの早見表
4/4拍子で「この秒数にこの小節数をぴったり収めたい」ときのBPMは、逆算の式ひとつで出ます。
| 尺 | 小節数 → BPM |
|---|---|
| 6秒(バンパー広告) | 4小節 → 160 |
| 15秒 | 8小節 → 128 |
| 20秒 | 8小節 → 96 |
| 30秒 | 12小節 → 96 / 16小節 → 128 |
| 60秒 | 24小節 → 96 / 32小節 → 128 |
| 90秒 | 36小節 → 96 / 48小節 → 128 |
96と128が繰り返し出てくるのは、広告や動画の定番の尺が15秒・30秒の倍数で刻まれているためです。この2つのテンポは尺物の仕事で扱いやすいテンポだと言えます。もちろん式に好きな小節数を入れれば、他のテンポの候補も出せます。
途中からテンポを直す場合の手順
BPM110で作り始めた曲を30秒の動画に当てるケースで考えます。1小節は240÷110で約2.18秒。30秒には13.75小節となり、半端が出ます。
選択肢は2つです。ひとつはテンポを寄せる方法で、上の表からBPM96(12小節)か128(16小節)に動かします。110からの変化は1〜2割で、曲の印象は変わりますが、構成は崩れません。
もうひとつはテンポを守って端数を吸収する方法です。14小節で書き出すと約30.5秒。動画側の編集で0.5秒詰められるなら、こちらのほうが曲に手を入れずに済みます。どちらを選ぶかは、曲と映像のどちらに決定権があるかで決めてください。
よくある質問
6/8拍子の1小節は3/4拍子と同じ長さになるのはなぜですか?
8分音符6つ分は4分音符3つ分と同じ長さだからです。1小節の長さは分子と分母の両方で決まり、4分音符に換算した数が同じなら小節の長さも同じになります。違うのはアクセントの位置で、3/4は3拍、6/8は2拍に感じるグループ分けになります。
DAWの小節数と実時間がずれるのはなぜですか?
テンポが途中で変わっているか、書き出し時のサンプルレート変換が入っている可能性があります。またDAWの表示は1小節目の頭を0秒とするか1小節目とするかで1小節分ずれて見えることがあります。尺を厳密に合わせるときは、書き出したファイルの実長を確認してください。
動画の尺に合わせて曲を作るときはどうしますか?
このツールの「時間から」タブで、目標の秒数に入る小節数を確認してください。小節数は4の倍数に収めると構成が組みやすくなります。端数が出る場合は、BPMを1〜2程度調整すると小節の切りが良くなります。90秒の動画なら、BPM128の4/4で48小節が90秒に収まります。
BPMに小数を使ってもよいですか?
問題ありません。多くのDAWはBPMを小数第2位あたりまで指定できます。尺合わせでは「240×小節数÷秒数」で出た値をそのまま入力すれば、整数にこだわるより正確に収まります。たとえば33秒に16小節を収めるならBPM116.36です。整数に丸めると数百ミリ秒単位のずれになるため、尺が厳密な仕事ほど小数のまま使ってください。
書き出す音声は小節数ちょうどの長さでよいですか?
余韻のぶんを考慮してください。リバーブやディレイの残響は最後の小節が終わったあとも続くため、小節数ちょうどで切ると尻切れになります。書き出しは最後の小節の後ろに1〜2秒の余白を含め、動画に貼るときは頭を基準に合わせるのが確実です。尺の計算はあくまで「演奏部分」の長さとして扱ってください。