換算と画角の計算式
換算はクロップファクターを掛けるだけです。画角はセンサーの実寸法と焦点距離から三角関数で出します。
クロップファクター = 43.27 ÷ センサー対角長
水平画角 = 2 × arctan(センサー横幅 ÷ (2 × 焦点距離))
対角画角 = 2 × arctan(センサー対角 ÷ (2 × 焦点距離))
43.27ミリは35mm判(36×24ミリ)の対角長です。クロップファクターはこれを各センサーの対角長で割った値になります。
センサーサイズとクロップファクター
| センサー | 寸法 / 係数 |
|---|---|
| フルサイズ(35mm判) | 36 × 24 mm / 1.00 |
| APS-C(キヤノン) | 22.3 × 14.9 mm / 1.61 |
| APS-C(ソニー等) | 23.5 × 15.6 mm / 1.53 |
| マイクロフォーサーズ | 17.3 × 13.0 mm / 2.00 |
| 1インチ | 13.2 × 8.8 mm / 2.73 |
同じAPS-C表記でもメーカーによって寸法が違うため、係数が分かれます。一般に「1.5倍」「1.6倍」と呼ばれますが、実寸法から計算すると1.53倍・1.61倍です。このツールは実寸法から計算しているため、慣用の呼び方とわずかにずれます。
換算焦点距離と画角の対応
| 35mm換算 | 対角画角 / 用途 |
|---|---|
| 14mm | 114° / 超広角・風景 |
| 24mm | 84° / 広角・スナップ |
| 35mm | 63° / 標準寄り広角 |
| 50mm | 47° / 標準 |
| 85mm | 29° / ポートレート |
| 135mm | 18° / 中望遠 |
| 200mm | 12° / 望遠 |
| 400mm | 6° / 超望遠 |
換算されないもの
35mm換算されるのは画角だけです。ここを取り違えると期待した写真になりません。
ボケの量は変わる
センサーが小さいほど、同じ画角・同じF値でも被写界深度は深くなります。マイクロフォーサーズの25mm F1.8はフルサイズの50mm相当の画角ですが、ボケ量はフルサイズの50mm F3.5前後に近くなります。ボケを重視するなら、F値も同じ係数で読み替えて比較してください。
F値と明るさは変わらない
一方で露出は変わりません。F2.8はどのセンサーでもF2.8として同じ明るさで写ります。ボケ量の換算と混同しやすいところです。
手ブレの目安は換算値で見る
手持ちの限界シャッタースピードは「1÷換算焦点距離」秒が目安です。APS-Cで200mmなら換算320mmなので、1/320秒より速くする必要があります。実焦点距離で判断すると足りません。
実例:欲しい画角からレンズを逆算する
「風景用に換算24mm相当の広角が欲しい」という条件で、センサーごとに必要な実焦点距離を出してみます。式は換算の逆で、目標の換算値をクロップファクターで割るだけです。
マイクロフォーサーズ(2.0倍): 24 ÷ 2 = 12mm のレンズ
1インチ(2.73倍): 24 ÷ 2.73 = 8.8mm のレンズ
市販レンズの焦点距離は刻みが決まっているので、計算値に最も近いものを選びます。APS-Cなら16mm始まりの標準ズームがちょうど換算24mm相当です。
逆方向の使い方もよくあります。中古で見つけたAPS-C用56mmが何に向くか知りたければ、56×1.53で換算85.7mm。フルサイズの85mmと同じ、ポートレート定番の画角だと分かります。焦点距離の数字だけではピンと来ないときに、換算値と上の対応表を突き合わせると用途が見えてきます。
よくある質問
35mm換算とは何ですか?
フルサイズのカメラに付けたときに同じ写り方をする焦点距離に直した値です。センサーが小さいほど写る範囲が狭くなるため、同じレンズでも望遠寄りに写ります。APS-Cで50ミリのレンズは、フルサイズの75ミリから80ミリ相当の画角になります。レンズを比べるときの共通のものさしとして使われます。
35mm換算するとボケ方も変わりますか?
画角は換算値と同じになりますが、ボケの量は変わります。センサーが小さいほど同じ画角・同じF値でもボケにくくなり、被写界深度が深くなります。マイクロフォーサーズの25ミリF1.8はフルサイズの50ミリ相当の画角ですが、ボケ量はフルサイズの50ミリF3.5前後に近い写り方になります。換算されるのは画角だけだと考えてください。
クロップファクターがメーカーによって違うのはなぜですか?
APS-Cと呼ばれるセンサーの寸法がメーカーごとにわずかに違うためです。キヤノンは22.3×14.9ミリで約1.6倍、ソニーは23.5×15.6ミリ、ニコンや富士フイルムは23.5×15.7ミリで、いずれも約1.5倍になります。同じAPS-C表記でも換算値がずれるので、正確に計算したいときはセンサーの実寸法を確認してください。
テレコンバーターを付けたときの換算はどうなりますか?
テレコンの倍率を実焦点距離に掛けてから、クロップファクターを掛けます。APS-Cの300mmに1.4倍テレコンなら、300×1.4×1.53で換算642mm相当です。あわせて開放F値も暗くなり、1.4倍テレコンで1段、2倍テレコンで2段落ちます。F5.6のレンズに2倍テレコンを付けるとF11になり、オートフォーカスが効かなくなる機種もあるため、画角だけでなく明るさの変化も見てください。
出典
センサーの寸法は、次のメーカー仕様と照合しています(確認日 2026年10月3日)。同じ規格でも機種によって0.1mm程度違うことがあります。
- EOS R10 仕様(キヤノン)— APS-C 約22.3 × 14.9 mm
- α6400 主な仕様(ソニー)— APS-C 23.5 × 15.6 mm
- Z50 主な仕様(ニコン)— DXフォーマット 23.5 × 15.7 mm
- X-T5 Specifications(富士フイルム)— APS-C 23.5 × 15.7 mm
- LUMIX G9II Specs(パナソニック)— マイクロフォーサーズ 17.3 × 13.0 mm
- RX100 VII 主な仕様(ソニー)— 1.0型 13.2 × 8.8 mm