星空撮影のシャッター速度 計算機

焦点距離とセンサーから、星が点に写る最長露光時間を500ルールとNPFルールで計算します。画素ピッチの算出と、露光時間で星が何ピクセル流れるかの確認にも対応しています。

NPFルールの露光時間

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※ 500ルール・NPFルールともに、いちばん速く動く天の赤道付近の星を基準にした経験則です。レンズの収差やピント精度によって、点に見える限界は前後します。

露光時間の計算式

地球の自転で星は1秒間に約15秒角動きます。露光中にこの動きがセンサーの画素何個分になるかで、星が点に写るか線になるかが決まります。500ルールは焦点距離だけで見積もる古い経験則、NPFルールは絞りと画素ピッチも入れた新しい式です。

500ルール(秒) = 500 ÷ (焦点距離 × 換算係数)
NPFルール(秒) = (35 × 絞り値 + 30 × 画素ピッチ) ÷ 焦点距離
星の流れ(µm) = 焦点距離(mm) × 15.04 × 露光秒 × cos(赤緯) ÷ 206.265
流れ(px) = 流れ(µm) ÷ 画素ピッチ(µm)

NPFルールの焦点距離はレンズに書いてある実焦点距離で、35mm換算しません。画素ピッチが小さい(画素数が多い)カメラほど、同じ流れでも画素何個分かが増えるため、許される露光時間が短くなります。NPFはフランスの天文団体が提案した式の簡易版で、2,400万画素のフルサイズ・F2.8前後では流れが3〜4画素に収まる時間になります。

500ルールとNPFルールの比較

2,400万画素のフルサイズ(画素ピッチ6.0µm)、絞りF2.8で、焦点距離ごとに両方の値を並べます。

焦点距離500ルール / NPFルール
14mm35.7秒 / 19.9秒
20mm25.0秒 / 13.9秒
24mm20.8秒 / 11.6秒
35mm14.3秒 / 7.9秒
50mm10.0秒 / 5.6秒

どの焦点距離でもNPFルールは500ルールの半分強です。500ルールの時間で撮ると星は約6ピクセル流れ、NPFルールの時間なら約3.4ピクセルに収まります。画素数がさらに多いカメラ(4,500万画素で4.4µm、6,100万画素で3.8µm)では差がもっと開きます。

センサーサイズと画素ピッチの目安

画素ピッチはセンサーの横幅を横方向の画素数で割った値です。メーカーが公表していないことも多いので、有効画素数から「画素ピッチ」タブで概算できます。

センサー・画素数横幅 / 画素ピッチ
フルサイズ 2,400万画素36.0mm / 6.0µm
フルサイズ 4,500万画素36.0mm / 4.4µm
フルサイズ 6,100万画素36.0mm / 3.8µm
APS-C 2,400万画素23.5mm / 3.9µm
マイクロフォーサーズ 2,000万画素17.3mm / 3.4µm
1型 2,000万画素13.2mm / 2.4µm

APS-Cの2,400万画素で16mm F2.8なら、NPFルールは(35×2.8+30×3.9)÷16で13.4秒です。同じ画角のフルサイズ24mm(11.6秒)より少し長く撮れますが、これは焦点距離が短い分で、画素ピッチが細かい分は逆に働いています。

実例:20mm F2.8で25秒撮ったら星が線になった

2,400万画素のフルサイズに20mm F2.8を付け、500ルールどおり25秒で撮ったときの星の流れを計算します。

角度の移動 = 15.04 × 25 = 376 秒角
センサー上の移動 = 20 × 376 ÷ 206.265 = 36.5 µm
画素数 = 36.5 ÷ 6.0 = 6.1 px
NPFルール = (35 × 2.8 + 30 × 6.0) ÷ 20 = 13.9 秒 → 流れ 3.4 px

6ピクセルの流れは、SNS用に横2,000ピクセルへ縮小すれば2ピクセル相当になってほぼ見えません。等倍で見たり大きくプリントしたりするなら、13〜14秒に短くしてISOを1段上げるのが正解です。露光を半分にすると明るさも半分になるので、F2.8 ISO3200 25秒とほぼ同じ明るさにするにはF2.8 ISO6400 13秒が必要です。

25秒と13.9秒の露光で、星の像が何画素ぶん流れるかを画素の升目の上に描いた図 25秒(500ルール) 6.1 画素 13.9秒(NPFルール) 3.4 画素
上の実例(フルサイズ2,400万画素・画素ピッチ6.0µm・20mm F2.8)。升目1つが1画素。500ルールの25秒では星が6.1画素流れて線になり、NPFルールの13.9秒では3.4画素に収まる。

よくある質問

500ルールとNPFルールのどちらを使えばいいですか?

画素数の多い今のカメラではNPFルールを基準にしてください。500ルールはフィルムや初期のデジタル一眼を前提にした経験則で、画素ピッチを考えていません。2,400万画素のフルサイズで20mm F2.8なら500ルールは25秒、NPFルールは13.9秒で、25秒露光すると星は6ピクセルほど流れます。SNSに縮小して載せるだけなら500ルールでも目立ちませんが、等倍やプリントで見るならNPFルールの値が上限です。

NPFルールの露光時間だと暗すぎます。どうすればいいですか?

露光時間は星の流れで上限が決まるので、明るさは絞りとISO感度で稼ぎます。絞りを1段開ければ露光時間を半分にしても同じ明るさです。NPFルールでは絞りを開けるほど許容時間はわずかに短くなります(星像が小さく写る分、流れが目立つため)が、明るさの利得のほうがはるかに大きいので、開放付近で撮ってNPFの値を守るのが基本です。ISOは3200〜6400が星景の常用域です。それでも足りなければ、同じ設定で複数枚撮って加算平均する(スタック)か、赤道儀で追尾して露光を延ばすのが常道です。

星の流れは何ピクセルまでなら点に見えますか?

NPFルールの簡易式では、2,400万画素のフルサイズ・F2.8前後で流れが3〜4ピクセルに収まります(画素の細かいカメラでは4ピクセル程度)。実際の見え方は鑑賞サイズしだいで、横4,000ピクセルの写真をスマートフォンで見るなら5〜6ピクセルの流れでも点に見えます。A3にプリントして近くで見るなら2〜3ピクセルが目安です。このページの「星の流れ」タブで、自分の露光時間で何ピクセル動くかを確認できます。

天の北極の近くを撮るときも同じ時間ですか?

北極星に近いほど星の動きは遅くなるので、もっと長く露光できます。星の見かけの速さは赤緯(天の赤道からの角度)の余弦に比例し、赤緯60度では天の赤道の半分、北極星(赤緯約89度)付近ではほぼ止まって見えます。このページの500ルールとNPFルールは、いちばん速く動く天の赤道の星を基準にした安全側の値です。画面内に赤緯の低い星が入るなら、その値を守ってください。

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